2012年アニメ

アジサイでおなじみ『さんかれあ』 漫画原作の最終回はどうなった?

アニメ放送は2012年なんですが、放送以来「梅雨と言えば・・・」「黒髪のヒロインと言えば・・・」ですっかりおなじみになった、はっとりみつる原作の『さんかれあ』。「なぜ、梅雨なの?」の理由は後述しますが、今回は「ゾンビッ娘を愛する主人公」と言う異色の作品にスポットを当ててみましょう。

ちなみに作品の性質上、ちょっと刺激的な描写もありますので苦手な方はご注意ください。

まず、『さんかれあ』と言うタイトルはヒロインの散華礼弥(さんかれあ)に由来します。『政宗くんのリベンジ(2017)』『交響詩篇エウレカセブン(2005)』のように名前の一部がタイトルに取り入れられている作品は多いのですが、タイトルそのものが登場人物と言うのは比較的珍しいですね。

ゾンビを愛する主人公

さて、物語は由緒ある家系のお嬢様である礼弥と、死んだ飼い猫のばーぶを蘇生薬で蘇らせようとする降谷千紘(ふるやちひろ)が出会うところから物語はスタートします。

礼弥は父親である散華団一郎(さんかだんいちろう)から溺愛されていたのですが、私生活はもとより、学校生活や友人関係に至るまで徹底的に監視されており、誕生日には成長記録と称してヌード写真を撮られるほどまで、その行為はエスカレートしていました。

その偏愛ぶりに礼弥は「死んで自由を得るしかない」と言うところまで精神的に追い詰められていたのですが、そこに「俺、女はゾンビじゃないとダメなんだわ」と公言するほどゾンビ一途の千紘が現れます。

ばーぶの蘇生に勤しむ千紘のもとに夜な夜な通う礼弥。

徐々に親しくなる二人でしたが、ある夜、礼弥は「生き返らせてください。お願い・・・」と意味深な約束と告げ、自宅でこっそり持ち帰った蘇生薬を飲み自殺(未遂)を図ります。

蘇生薬に使った紫陽花(あじさい)には毒が含まれており、服毒自殺を考えていたようです。実は、あまり知られていませんが、紫陽花の一部には毒を持った個体も存在することが確認されており、死亡例はないものの嘔吐や腹痛などの症例報告もあるそうですよ。
※くれぐれもマネはしねいでください!

まぁ、そこまで追い詰められていた礼弥のことを考えると、異常偏愛の父親に怒りもこみ上げてきますね。

紫陽花に囲まれヒロイン死亡! 衝撃の第3話

そして、「ヒロイン死亡する衝撃なアニメランキング」をすれば、必ず上位にノミネートする本作第3話。

夜間外出に激怒した父団一郎は礼弥の外出を一切禁止します。

しかし、絶壁からで千紘のもとへと向かっていた礼弥は団一郎に追い詰められ、足を滑らせ・・・

転落死。

転落するだけでなく、落下途中、木の枝で腹が割けると言う描写はちょっと刺激が強すぎましたね。

ちなみに、この転落した場所や蘇生薬とした使用したのが紫陽花なので、「さんかれあ=紫陽花(梅雨)」と言うイメージがすっかり定着。

アニメ版の最終回は中途半端に終了

その後、服毒自殺に用いた蘇生薬がもとでゾンビとして蘇った礼弥でしたが、蘇生薬の成分を持続させるために紫陽花の葉を食べ続けなければいけないのですが、死後硬直や体の腐敗は進行していきます。

それを防ぐために奔走すると同時に、自宅に連れ戻された礼弥を救出すべく団一郎との死闘を制した千紘。

結果、礼弥の治療法が見つかるまでと言う期限付きではあるものの、二人での生活を認められひとまずのハッピーエンドで最終回を迎えます。

アニメ版のその後・・・ 原作の最終回はどうなった?

アニメではひとまず一緒に生活を送ることになり、一応のハッピーエンドを迎えたわけですが、ゾンビ化の進行を食い止めるには至っていません。

また、礼弥はゾンビで千紘は人間ですから、ハッピーエンドと言うにはモヤモヤ間が残りました。

と言うわけで、2014年に原作が最終回を迎えましたので、そちらから礼弥と千紘のその後を紹介しましょう。

ゾンビとして蘇ったものの、理性を失いゾンビとしての本能が覚醒(人を襲う)する礼弥。

「このままでは、理性を失った完全なゾンビになってしまう・・・」

最悪を予感した千紘は捨て身の行動へと出ます。

それが「自分の唇を食べさせれば理性を取り戻すのでは?」と言う発想です。アニメ版最終回のキスシーンが布石になっていますね。

そして身を挺してゾンビ化した礼弥に自分を襲わせます。

すると、遊園地で遊ぶ二人・・・ ベンチで語らう二人・・・

「告白した俺の言葉に対してのアンサーを、まだその娘(礼弥)からもらってねーから・・・」

千紘の意識が礼弥の中で走馬燈のように駆け巡り、失っていた理性を取り戻します。

しかし、礼弥が気がつくと、唇どころか千紘の心臓まで食べてしまい辺り一面血の海になっている光景。

「自分が千紘を食べてしまった・・・」と打ちひしがれ、一人で朽ち果てるべく皆の元から離れていき、数ヶ月。

礼弥のもとに、千紘の祖父である降谷茹五郎の一周忌(アニメ版最終回後に死去)に来るよう手紙で諭され、顔を出すと、なんと生きている千紘が!

なぜ、千紘が生きているのか?

それは、これまで礼弥に致死量未満のゾンビ毒を受けていた影響で、死に対して鈍い体になっていたことに加え、心臓を食べられた段階で千紘は皆に運び出され、団一郎の助力により治療を受けていたから・・・

ゾンビ毒の理屈についてはアニメ11話で千紘が団一郎に腹を刺されても平然だったときと同じですね。それにしても、アニメ版では異常偏愛の持ち主としての描写しかなかった団一郎ですが、原作最終刊では「いい人」になっていることにビックリ!

そして・・・

「お前に呼びかけた言葉があったんだけど・・・」と照れながら語りかける千紘に対し、礼弥は・・・

『ごちそうさまでした!』

と笑顔で答えTHE END! 

千紘的には「いやいや、そこは・・・」と言った感じでしょうが、照れから出た言葉なのは承知済なのでしょうね。

最後には「いつまでも・・・」「どこまでも・・・」「朽ち果てるまで・・・」と記されていますから、この流れから「ゾンビッ娘と結ばれハッピーエンド」と解釈していいでしょう。

と、原作を駆け足で紹介しましたが、『黄昏乙女×アムネジア』のように、死んでいるキャラクター(魂だけで体がない)だと、生者とのハッピーエンドが難しいのですが、『さんかれあ』のように死んでいるものの、肉体が残っているゾンビ設定は救いのある斬新な世界観だったと思います。

見ている側としても、納得の行く着地点(最終回)と言えるのではないでしょうか。

(C)はっとりみつる・講談社/さんかれあ製作委員会

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